第76回（2023年）カンヌ国際映画祭批評家週間選出。
ポン・ジュノ監督の助監督を務めたユ・ジェソン監督（脚本も）の初長編作品。
夫の「レム睡眠」の間に、夢遊病的な何かなのか、霊か何かの仕業なのか、曖昧なまま、物語が進む、不思議な感覚の作品。ホラーというほど、ホラーでもなく、病気と闘う話なの？というと何か違う。
ガチなホラー的な演出は、ジャンプスケアやサイコホラー的な演出は特になく、良く言えば、ジャンル横断、悪く言えば、どっちつかずななかで進む居心地の悪さ。
終盤、妻が入院していたあたりのくだりが辻褄が合わない気がして、それ気になって、ラストが腑に落ちない印象。また、夫が役者である、という設定があまり効果的に使われていないのが、残念。ホラーでは、降霊された霊が「偽装」することが良くあるので、そういうテイストがあっても良かったかな。ただ、新しいホラーテイストの作品であることは、間違いない。
2024年6月30日＠シネマート新宿
