ティーヌ

マイ・スイート・ハニーのティーヌのレビュー・感想・評価

マイ・スイート・ハニー(2022年製作の映画)
5.0
公開を楽しみにしていた作品。主役のユ・ヘジンが好きなので、絶対普通の恋愛映画じゃないはずだ!と思って見たら、予想以上に良かった。

自閉の傾向のある45歳独身で高収入の男性と、20代前半で未婚で娘を産んだ41歳の貧困シングルマザーの、ずっと馬鹿にされてきた2人の物語。
ちょっとずつ悪くてちょっとずつ良い周囲の人達に見守られてる。「業の肯定」って感じする、というか脇役がクセ強すぎ。でも、主役2人の物語を邪魔しない。

男性が食事を疎かにしすぎて、女性に食卓に誘われるんだけど、それは彼が男だからではなくて、製菓会社の研究員でいつもお菓子ばかり食べているから。健康診断の結果が悪く医者に辞職を勧められたり、お菓子の有毒性についての社会的な討論に巻き込まれたりと、どんどんエスカレートしてゆくのも可笑しくて、よい。

彼の自閉的なこだわりはどうなるんだろうと思ってたら、ちゃんと最後までこだわってて安心した。
障害のある人達の物語を見ると、いつも、男性の場合は自立が求められるが、女性の場合は自立が求められたりそれが実現できる社会システムがあるのだろうかと、ぐるぐると考え込んでしまう。

原題が、ちょっと甘いっていう意味なのに、日本語だとべったべたに甘いタイトルになってしまっているが、まあいいか。