柏エシディシ

雪山の絆の柏エシディシのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
3.0
イーサン・ホークの「生きてこそ」と同じ1972年ウルグアイ空軍機遭難事故を題材にしたサバイバルドラマ。
観ているだけで息が詰まりそうなリアリティ。
夢の様な体験を味合わせてくれるのが映画ならば、決して現実には体験したくない事をかりそめでも見せてくれるのも映画。
どうしたって、自分ならばどうするだろうか?と考えながら観てしまう。
本作のドラマの中心は、彼らが生き残る為に取ったある決断。
それを殊更スキャンダラスに、または逆に宗教的な意味付けにも偏り過ぎることなく、一定の冷静で誠実な目線で描こうとしている。
瀕死の男が「今ほど信仰心が強くなった事はない。君の信じる神とは違うが」と仲間たちへの信頼を語るシーンが印象的だ。
不条理な災禍に、人は何も出来ないのか。何を思えば良いのだろうか。
それでも、結局、自分に出来る事を、精一杯やる事しか出来ない。時節柄、とても考えさせられた。
「生きてこそ」は確か学校のホームルームか何かで観た筈なんだけれど、記憶は朧げ。作品の違いを再見して確認してみたい。
柏エシディシ

柏エシディシ