しのはらかいた

Ryuichi Sakamoto | Opusのしのはらかいたのレビュー・感想・評価

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)
5.0
坂本龍一が亡くなった。
この映画はそのことがまるで嘘であるかのように存在を身近に感じさせ、そして見終わった後に喪失感を突きつけてくる。

生死の境や、理性と感情の境を取り払ってくれる坂本龍一の音楽に、まるで瞑想するかのように浸ることができる。
その音楽は命の儚さや人智を超えた力の無慈悲さを痛感させ、今無事に生きている自分自身の創造力を掻き立てる。
Ars longa, vita brevis.
自分は短い人生で何を残すのか。何に抗うのか。
この映画での坂本龍一のようにたとえ休憩しながらでも良いから、ちゃんと向き合わなければいけないと思わせてくれる作品である。