ぽっきー

ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅のぽっきーのレビュー・感想・評価

5.0
あまりにもソウルフルな時間だった
RHファクターの「Distractions」「Hard Groove」を初めて聴いた時はいつだったか、思い出せないけど一瞬で惚れて買ったCD。先日行ったブルーノートのオリジナルメニューでDistractionsがモチーフのドリンクがあり、すかさずオーダー。
そんなタイミングでのロイの映画公開は、観に行かない訳には行かなかった。
ただそんなに深くロイを知っているわけでもないけど、曲は好き。そんな気でいってみたけども、完全に打たれてしまった。
ロイは音楽の元に生まれた生粋のアーティストであり、師である。恋人に恵まれないと、笑っていたが、「音楽が恋人」と言っているようだった。
特に、音楽への考え方や感じ方がすごく心に響いた。「音楽は食べ物を美味くする」
ロイの言葉ではないが「音楽は化学」には、震えた。
音楽と人はスピリチュアルに繋がっている。
目に見えないものだからこそ、際限がないし、答えがない。でも心を向けないと無のものになる。それでも音楽は人の心を震わせる。それにスピリチュアルを感じるのだ。
このセリフを聞いて、「信仰」の重大さに気付かされた。人生の柱があれば人の行動はそれに基づいて一貫するし、迷わない。だからこそアクティブなのだ。
ロイは生きることに使命を感じているし、死ぬことを恐れない。神に従順だから。自分のやることを分かっているのだ。だからこそあの音が生まれる。

何も知らないで、「あ、この曲良いな」と感じてただただ聴いていた日々が恥ずかしくなった。
今の時代は簡単にどの時代の音楽も聴けるが、良い面もあり悪い面もある。
1つの曲に深掘りをしなくなってきている。
バックグラウンドやアーティスト自信を知ることで、1つの曲が完成する。

最もアツい音楽と歴史を背負うジャズ。そのソウルをいつまでも忘れずに引き継いでいきたい。
ぽっきー

ぽっきー