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アメリカン・フィクションのhokaのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
2.9
施設の入居費が月額6900$ならreverse mortgage 中の家を改築して看護師を雇った方が経済的かも知れない。

しかし医者の姉を目の前で病気で失い医者の一家の母親を施設に入れるしか解決策が無いというのが皮肉なら、きっと面白いのだろう。

彼のバックグラウンドが裕福であった事でTypicalな黒人文化から距離を置くことが出来たのに、それに自覚的では無くテンプレ黒人文化を軽蔑して苦悩する主人公に好意的な見方をするのは困難だ。

Multicultural なアメリカにおいて、黒人/白人の二元論で語るのもどうかと思うし、大手出版社やハリウッドが暗愚な白人文化を揶揄する為だとしても、描き方があまりに露悪的すぎて好きになれないし、笑えない。

一番陳腐なラストシーンを選ぶところは少し笑えたし、全てフィクションだからこその誇張表現だという事も、最後には理解出来るけど。

今更だけど、権威的な賞にタキシードにボウタイで当たり前にポディウムに立つことに違和感をまるで覚えない黒人って、blaxploitationを批判的に黒人文化を語るに足る人物像なのだろうか?

しかし自分が信じて培ったものが商業的に否定され続け、軽蔑していたものが爆発的に受け入れられる一点に於いて、それはある意味真実である様にも思う。
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