陰陽

異人たちの陰陽のレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.6
WEEKENDも人によっては、毛嫌いする描写があったから受けつない人は受け付けないだろうな。ロマンティックな観点で見たワイにとって、胸に光る精子を舐めるシーンはエロさまで感じてしまった。同性愛や、自分の性に違和感があり、それを世間に投影した時に自分の生き場はないんじゃないか?その想いを幼き頃から胸に、歩んできた人たちに共通してるのは、半端じゃない程人の痛みがわかるってこと、簡単なことを言えばすげぇ優しいんだよね、そしていざとなるとハリーのようにすごい抱擁感があるんだ、この包み込む人間性っていうのは横に出るものはいないんじゃないかな。
原作を読んだこともない、日本版も見たことない。もちろん見たいと思った、けど、リメイクとしてアンドリュー・ヘイが描いたこの描き方は正直言って素晴らしすぎる。ドラッグを連想させるメタファー的な描写が、根本にあるメタファーとなにも喧嘩することなく作品として成り立っている。そして、その先にあるメタファーに家族との愛、時代の流れがある。80年代に亡くなった両親は、80年代で止まっている。しかしながら、現代まで生きているアダムの中でも止まったままの時計がある、その時計を進ませ、空っぽな愛の容量をパンパンにさせたい一心ですがりつく姿は、正直堪らなかった。
リトル・ダンサーのジェイミー・ベルがお父さんになってた、時代が流れてた。
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