ロットンズ

異人たちのロットンズのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.9
山田太一さんの原作も大林宣彦監督の「異人たちとの夏」も見たことはないが、純粋に素晴らしい作品だった。
カメラワーク、サウンドそして映画全体を漂う空気感や色味、その全てがどこか物悲しさや孤独感、そして"異世界感"を醸し出しており、それが主人公アダム、そしてハリーが抱える社会的マイノリティであるLGBTQIA+の人たちの孤独感や疎外感とリンクしており、とても良かった。
現代社会において人との関わりやコミュニケーションが希薄になってきている昨今、誰しもが孤独感や疎外感に飲み込まれ、押し潰されそうになる時がきっとあると思う。
この作品はそんな社会的マイノリティの人たちだけでなく、今を生きるすべての人の心の奥にある“孤独”にそっと寄り添ってくれるような温かさも感じられた。
あと何より音楽のチョイスが抜群に良い!!
次は原作と大林監督の作品を見たうえで、もう一度見てみたいなと思う。