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異人たちのkinoのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
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鑑賞した自分の中では精神と身体、どちらが先かという問題が1番先に浮かんだ。自分の中では、ハリーが「生きて」いたのはアダムの部屋に急に訪れた時までで、そのあとは死後なのだと解釈している。その後に性行為のシーンが続くことは、身体的な行為は精神の繋がりがあって成立するというステートメントだと思った。身体を超えた精神の存在を描くということで記号的な時間を越えた時間を生み出し、死んだ両親との関わりも可能にする。
また、all of us strangersというタイトルは、元々お互いに異質な私たち人間が関わりの中で見つける「関係」に縋りながら生きて行く様をよく表している。「異人」とは「生きた人間と死人」というわけではなく、人間と人間が向き合った時にお互いが気付く違いのことだと思う
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