ShotaOkubo

軽蔑 60周年4Kレストア版のShotaOkuboのレビュー・感想・評価

軽蔑 60周年4Kレストア版(1963年製作の映画)
5.0
映画は、現実の世界をレンズを通じて撮影することで成り立っている。世界を客観的に撮影することしかできず、写された映像は真実である。しかしながら、そこから映画の最大の問題が生み出される。映画は一部しか見ていないにも関わらず、歴史の全てを見たかのように振る舞ってしまう。映画が商業的に振る舞えば、それがあらかじめ定位であったかのように人々に感じさせる。ゴダールはただひとり「映画とは何か」という問いを引き受け、商業主義に支配された世界(アメリカ人プロデューサーによって与えられた大金、スタジオ撮影、巨大なカメラ)を見せる。本来のあるべき姿に戻すために。それが「軽蔑」だと思う。
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