みむさん

Dream Scenario(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

Dream Scenario(原題)(2023年製作の映画)
4.0
トロント国際映画祭にて。

クリストファー・ボルグリ監督は「シック・オブ・マイセルフ」が面白いだけではなくかなり痛々しい話だったので、ニコラス・ケイジ主演、アリ・アスター製作の今回の新作も期待通り。
トロントで撮影したそうだ。

とてもキュートなニコラスが見れるし面白いんだけど、風刺が効きすぎて、だんだんと面白がって笑っていいのか…?という気持ちになってしまう😅
これも「シック・オブ・マイセルフ」を観た時と同じ感覚。

ごく普通の生活を送っている教授がある日突然有名になっている、というか他人の夢に出まくっている。
なので、本人は何が起こっているのかさっぱりわからず、周囲の人々は夢に出てきた姿で教授のイメージを作り上げる。

知らぬ間に嫌われ笑われ軽蔑され、事実と異なる他人の思い込みやイメージが自分のコントロールできない状態で広がっていく。

これって、ニコラス・ケイジが有名になって体験してることと似てるのでは?と思ったら、やはり上映後QAで「勝手にTシャツになってたりミームになってたりするけど、どうにもコントロールできない状態、自分が感じていることはこれだ!と映画の脚本を読んで引き受けた」と言っていて、まさにそれだった。

いろんな人が見る夢の内容は笑える部分たくさんありコメディ映画として面白いんだけど、それにより一人の善良な人に混乱をもたらす話で、ニコラス・ケイジを重ねて見るとちょっと可哀想な話だった。

しかし一方的に困惑するわけではなく、その夢を見る側がどういう気分なのかを知ることも描かれていた。

とても複雑な気持ちになる映画。

クソコラやミームでニコケイとかいって遊んでる人は一度見て考えて反省する機会になるかも?