せっ

アメリ デジタルリマスター版のせっのレビュー・感想・評価

4.3

父の誤解から学校に通えず友達がいないちょっと変わった女性のアメリが、ある日家で昔の住人が隠していった宝物箱を見つけそれを持ち主に届けたことで、アメリに変化が訪れる話。

学生の時初めて見た時はあと一歩の勇気が中々踏み出せないアメリにイラついていたのに、数年経った今の方が、新しい世界へ踏み込むあと一歩が怖い気持ちがなぜだか痛いほどよくわかる。

でも、受け身なように見えてアメリって小さい頃から自分がやると決めたことへの行動力は凄まじい。ニノと結ばれるまでのプロセスも、それまで自分が行動を起こした事によって周りにも変化を及ぼして結果的に自分にも返ってきている訳で、これもまた回りくどいけどアメリが積極的に行動したことへの対価だと思う。

あと、ニノとアメリお互いの相手との最初の接触のシュチュエーションがそれぞれ正反対で面白かった。アメリはお化け屋敷でこれからの未来に怯えつつもドキドキしてるって感じだけど、ニノはモンマルトルの丘を駆け上がり(上がらされ)アメリと出会うことに高揚してるって感じ。ニノに関しては無駄に走らされて、吊り橋効果ならぬ山登り効果になってて笑う。

映画館で見て、こんなに音楽が特徴的だったことを改めて気づけてよかった。オシャレ映画のイメージが強いけど、やたら大袈裟な効果音がアメリの人生を存分に皮肉ってるように見えた。あと、結構あの大きく見開いたアメリの顔ってホラーだよね。カフェでニノの後ろに急に現れたり、トイレでの情事を見つめてる顔普通にサイコキラーで出てきてもおかしくない。
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