私の当面の入院生活に花を添える景気の良いスラッシャーぶり!おかげで血を見るのが怖くなくなりました。ありがとう、イーライ・ロス!
あの傑作「グラインドハウス」のフェイク予告にあった作品だったそうですが、全く記憶になく、本編見た後に見直し、そういえばあったわ、と思い出しました。フェイク予告はグラインドハウスなのでゲス感満載Z級ホラーテイストでしたが、本編はだいぶソフィスティケイトされて、作品性もかなり良くなっています。
感謝祭を主軸とした殺戮絵巻でありますが、それを起点とするのがブラックフライデーの市場原理に翻弄され、必要性のなさそうなワッフルメーカーを奪い合う人間の理性の崩壊と狂気に勝るものは無いなと感じました。
殺人鬼となるジョン・カーヴァーも、過去の錚々たるサイコキラーキャラに負けない見た目とキリングセンス。ネタ的に、ハロウィンのブギーマンと相似性は感じなくは無いですが、あちらは巨大ナイフですが、こちらは料理がモチーフなので、ご家庭にある調理器具もフル活用するので、イコライザーのマッコールさんに近いかもしれません(最新作ではもはやシリアルキラーだだったので)。
特に本作では、もはや演出として不可避であるSNSが不自然でなく活用されており、フィジカルな殺人表現だけでなく、追う側にも終われる側にも心理的な凶器となる事を上手く表現されていると感ました。