浅野公喜

サンクスギビングの浅野公喜のレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.9
感謝祭に繰り広げられる殺戮を描いたイーライ・ロス監督のスラッシャー。冒頭に白いユニコーンのロゴ(トライスター)が現れる作品は当たりが多いと感じるのですがこれもそうでした。

まず最初は誰かが勢い良く殺されてスタート・・というわけではなく、少しフラストレーションが溜まりますがスーパーに殺到した客達がドミノ倒しになったり次々と巻き込まれる様が描かれ、カートで頭皮が剥がれたりとそこそこ満足。犯人の正体は予測つかなかったものの特に意外というわけでもなく、殺しも歯切れが良過ぎる&生存者が少し多い印象ながらロス監督の往年のホラーやスラッシャーに対する愛情を感じられる殺し方や演出がちらほらと。

例えば体で表現する<半額セール>は「処刑!血のしたたり」、ジョック男の<首>は「13日の金曜日・完結編」、チアガールの<トランポリン>は若かりし頃のブラピ主演の「処刑教室-最終章-」、パレードでの運転手は「ファイナル・デスティネーション」と、オマージュ風味のスラッシャーオードブルはユーモラスだったり不意打ちも有ることで満足度高くその他にも必殺仕事人風的斬首、この作品らしくロースト人間やミンチも登場。パレードでは一瞬「ザ・カー」の車のクラクション音も聴く事が出来ます。

それだけでなく、スマホを使ったブーメラン的因果応報やマネキンを使ってのかくれんぼ、声を出してはいけない時に声を出しそうな状況に出くわす等スカッとする&スリルを持続させる工夫や展開も流石と言った所で近年のスラッシャーでは出色の出来と言えそう。

元祖スラッシャー作品の一つとも言われる「暗闇にベルが鳴る」やB級スラッシャー「肉欲のオーディション/切り裂かれたヒロインたち」(観たい)にも出演しているリン・グリフィンが主人公の祖母役でちょっとだけ顔を見せているのにも注目。
浅野公喜

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