このレビューはネタバレを含みます
【全体】
読後感が爽やかで良かった。
内容の大半が2人きりのドライブ旅で、2人の距離感が徐々に近くなっていく様子が言葉遣いや表情、仕草でわかるようになっていてとても見応えがあり面白かった。特に、タメ語になったところはグッときた。柳役の木原さんの表情と演技がすごく好きだった。
【ストーリー】
正直えりなのことに関しては、えりな側と親側の主張だと、親側の方が真っ当なことを言っているように思えた。子供に突飛で危険な行動をされて、親が不憫だなと思ってしまった(車に子供を置き去りにするのはやばいけど)。社会にはルールがあり、そのルールから外れると社会から罰されるのは当然のこと。柳が、「大人が大人としての対応を間違えたんだ、罰を受けるのは当然だ」と言及してくれていて安心した。しかし、えりなが言いたいこともわかる。そのモヤモヤがこの映画の主題の1つなのかなと思った。
えりな(子供)の葛藤の旅が、柳(大人)の過去を乗り越える後押しになったというのがよかった。
大人、子供、社会、個人という要素がそれぞれ影響し合って、混ざって、答えは出ないけど前を向いて進んで行く、という感じなのかなと思った。
【映像】
映像作品で描写される田舎が本当に好き。宿もビジネスホテルではなく民宿のような所を選んでいて、風情を感じられた。旅行に行きたくなった。
ドライブ中の景色が俯瞰、えりな目線、柳目線、後部座席からなど様々な視点で映されていて、それぞれの描写で意味や見え方が違ったのかな?と思ったがわからなかったのでもう一度見てみたいなと思った。