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バティモン5 望まれざる者のTenKasSのレビュー・感想・評価

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)
5.0
団地のスーパーロングからドローンショットで団地の中にカメラが侵入、棺を搬出したところで真上からの映像になるという一連の始まり方が終盤に反復される。強制立退でマットレスを捨てるところからドローンショットでカメラが団地の外に出るという形で前半が反対の形で反復され、ラストシーンでは団地自体を真上から撮るという形で葬儀のシーンが反復される、団地そのものが棺となることで映画が終わったように見えた。
割とこの形でリミテッドシリーズくらいの規模に拡大できるのでは?と思うほどに登場人物が多く、絡み合う其々の立場や主義主張は埋め難い溝や解決の不可能さを際立たせる。
パリの郊外団地モノ的なジャンル?では一番視野が広い気がする。『憎しみ』で映画一本かけて描かれたような横暴な様は、この映画では車修理屋を逮捕する場面にあたり、何年も繰り返されてきたこととして踏まえつつ行政側の視野も含めて映画として深化していた印象。
Netflixの『リプリー』と同程度に階段が最悪な装置として機能していた。
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