「異人」の意味をアンドリュー・ヘイが自身のフィールドへ手繰り寄せるところから始まる脚色。
昨日大林版を観たばかりということもあって序盤はこれがこうであれがこうなってるんだなと言う確認作業的なところから>>続きを読む
大林映画は男性目線のエディプス的な性嗜好とそれに伴うノスタルジーを心に触れるものとして描くのが上手過ぎる。嘘くささも全部味方につけてしまう。しかしその上手さを死人に生気を吸われるホラーとして異化してい>>続きを読む
こんなふうにしか互いの感情を表現できない男たちのままでいるのは流石にまずいという気がしてくる。
アラン・ドロンが自身に口づけするが、フィリップに向けてなのかトムなのか、それともマルジュなのかというとこ>>続きを読む
エクストリーム旅の恥は掻き捨て。
男の中の漢を無理矢理奮い立たせようとするド変態ミア・ゴスが良かったというか一人勝ち。
異常にマッチョなノースマン、アレクサンダー・スカルスガルドがやけに弱々しく薄っ>>続きを読む
予告見て随分前のレフンのドラマで見かけたネル・タイガー・フリーの主演映画だ!となり…でも『オーメン』観たことないしなぁと一作目だけを観てから臨むとネル・タイガー・フリーはとんでもなく凄みがある俳優にな>>続きを読む
俺にとっての犬の嫌いなところ全部盛り。
マジでいきなり吠えるな近付いてくんな。
首吊りに串刺しに突き落とし、ガラス板ギロチンと重力を利用した目を見張る凄惨な殺人方法のオンパレードではあるけど映画は割>>続きを読む
オピオイド危機について恥ずかしながらよく知らなかったのだけど、自分自身が長い間メンタルクリニックで処方薬を貰って飲んでいる身だということもあってか、映画序盤での簡単な問題への説明でその極悪非道ぶりが一>>続きを読む
やっとこさ観れたけど良かった。疲れ果てたけど…。
これだけ日本への原爆投下の是非が異化されてるのに、一足先に観ていた人たちが口を揃えて「日本公開の見送りは正しい、こんなのはアメリカ的過ぎて無理〜」みた>>続きを読む
言うまでもなく暴力の歴史は北アイルランドに留まらず、人類普遍の問題であり地球上のどこかで常に血は流されているのだと考えると、街の映画としてのこの映画は「哲学」を手段としてその暴力を止めうる思索と対話の>>続きを読む
なんか休日返上して凄いヤバい仕事が大変な事態になりながらもどうにかこうにか終わったんだけど、身体が疲れ過ぎてて何一つ喜べないし、誰も褒めてくれないし、終わったのに気持ちが休まらないし、ていうかまだ家帰>>続きを読む
初台のオペラシティにある口を開け閉めし続ける巨人のモニュメントと同じものが、韓国にもあるんだ!という謎の驚きで幕を開けたけど途中で忘れたくらいよかった。音楽が全部好みで超気持ちよかったのもあるけど映像>>続きを読む
表向きには口当たりのいいことを標語にして他人の憎しみを飯のタネにする、得体の知れない大きな存在に感情も行動も操られる寓話として楽しんだ。前作は『ソーシャルネットワーク』の終盤Facebook社内の登録>>続きを読む
単なる不倫関係において発せられる「私は傷つきました」に、非常に今日的な自身に課せられた属性に基づく主張が織り込まれていた感じがして凄い。コロナ禍映画で登場人物も場面も少なく凄くミニマルなのだが、挟まれ>>続きを読む
銃持ってはしゃいでる子たち本当に怖い。槍と鉈持って白人の物を盗み、人を殺して何かわからない薬をラムネ菓子みたいに食べる。全部の行動が抵抗としての大義名分を持つのか、それ故の歯止めのかからなさがスクリー>>続きを読む
デビュー作というには名のある監督たちの助監督としてのキャリアがあり過ぎるので、もうぶっちぎりで凄い。満を持して半自伝的映画を監督した感じがすると思ったら実際そうらしい。
「地平線は空と地面が交わるとこ>>続きを読む
なんかトロ過ぎてよーわかんねーがきもちいーなーって感じだったけど、やっぱり最初にカメラが試合を右へ左へ追っていくことと、最後のゴールキーパーはその時が来るまでフォーカスされず右往左往する存在云々的な唯>>続きを読む
音楽は全部即興で本人も全カットを覚えてるわけでないとのこと。そうなると客席の咳き込む声や笑い声、鼻を啜る音なんかも巻き込んでいる一回性の贅沢さがあった。
形態は非常に伴奏付きのサイレント映画っぽいのだ>>続きを読む
原作から引き算するだけして大まかなストーリーラインをなぞってるだけにしか見えず出し惜しみと引き伸ばしという印象だった一作目からは考えられないほどの世界の広がりと、原作に対する再解釈が炸裂していた!
ヴ>>続きを読む
これは流石に凄い。堕落と腐敗、人間と動物を隔てるものが全然ない…ということを撮るという行為で表しているように思う。死んだものも動くということを示す、腐敗過程の活動写真。
絵の構図を決めるが如くカッチリとしたフィックスの連続と衣装、あと単にイギリス人ユーモアと話が観やすくて面白かったけど、致命的に合わねえ…
2014年に劇場で『アンダー・ザ・スキン』を観た時、打ちのめされて映画に対して第三の目が開いたかのような感覚になったことや、そのせいで椅子から暫く立てなかったことを克明に思い出した。ジョナサン・グレイ>>続きを読む
随分と分かりやすくてびっくり。おっちゃんが風呂に消えて行くところが凄過ぎて目ん玉ひん剥いた。映画で初めて見たファスナハト。
なんだかあの世で撮ってきた映画みたいで、心が言いようのない柔らかさまでほぐれていった…。
落下の解剖学なんてタイトル付けられたら、それはもう映画の解剖に他ならないのでは?と期待を寄せたものの、そんなに刺さらずに首を傾げながら帰った。
一つの出来事に対し供述や録音を始めとした音声、現場検証>>続きを読む
デュア・リパとジョン・シナがまた共演してるところは面白いです(約2分)
あとはもう他にも好きな俳優目白押しなのにマシューボーンが終わってるせいで全部が終わってる…
フィルムと酒がなくなるまで、昔の話を喋る…だけではあるのだがちゃんと演出と演出がなされる様子まで入っている。話の内容は殆ど既に亡くなってしまった人たちの話で、カメラは寄ったり引いたりするし、カットが割>>続きを読む
映画のないところにカメラを持ち込み、映画的なものを発生させるあるいは発見するまたは後から作り出すって感じでサイレント映画的なものへの回帰のフロンティアを異国に見出してる感が強かった。制作風景が気になり>>続きを読む
太陽系の公転を人間で再現する最初のシーンで途中から音楽がかかる。その音楽は酒場のピアノを誰かが弾き始めたから鳴り始めたとばかり思っていたのだけど、それがどうやらそうではなく映画の外から鳴っているものと>>続きを読む
黒猫を暗闇の中から探すのは難しい
敗者としての幸福を掴むのだ
不在を支配するのはあなたであり…
と、相変わらずわかんないなと思うと同時に頭の中にぼんやりとしたイメージと印象的な言葉が反響し始める。
緻密に組み上げられた無軌道。
カメラが動き、人間が動き、その先に物語が幾つも発生する。同時間制を貫く編集と音。全部が映画でしか成し遂げられないことだという気がしてくる。完璧な映画的快楽の結晶。
それなりに色々考えつつ観ながらも、歪なだけのものに対してコメディだと言い張ってるようにしか見えなくなっちゃったし、途中で隠喩であることすら辞めるのにちょっとしつこいので、分かったからもう終わって…って>>続きを読む
毎日は常に誰かの誕生日で同時に誰かの命日だという考えてみれば当たり前の事実に際し、私たちは常に以前誰かのいた場所の上に立っているというこれまた当たり前の事実が思い起こされる。
この映画の時間はたったの>>続きを読む
よくわかんねーのに画面に映ってるもの全部脂乗ってて湿度が高くて熱量も高くてつまりギラギラでオマケにセクシーで、かつ省略が全部カッコいいのでなんか異様に面白い。