TenKasSさんの映画レビュー・感想・評価

TenKasS

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

原作から引き算するだけして大まかなストーリーラインをなぞってるだけにしか見えず出し惜しみと引き伸ばしという印象だった一作目からは考えられないほどの世界の広がりと、原作に対する再解釈が炸裂していた!
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ZOO(1985年製作の映画)

5.0

これは流石に凄い。堕落と腐敗、人間と動物を隔てるものが全然ない…ということを撮るという行為で表しているように思う。死んだものも動くということを示す、腐敗過程の活動写真。

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

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絵の構図を決めるが如くカッチリとしたフィックスの連続と衣装、あと単にイギリス人ユーモアと話が観やすくて面白かったけど、致命的に合わねえ…

関心領域(2023年製作の映画)

5.0

2014年に劇場で『アンダー・ザ・スキン』を観た時、打ちのめされて映画に対して第三の目が開いたかのような感覚になったことや、そのせいで椅子から暫く立てなかったことを克明に思い出した。ジョナサン・グレイ>>続きを読む

カドリーユ(1937年製作の映画)

5.0

本当編集凄い。ギトリ映画でしか摂ることのできない栄養みたいなのがある。

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

5.0

随分と分かりやすくてびっくり。おっちゃんが風呂に消えて行くところが凄過ぎて目ん玉ひん剥いた。映画で初めて見たファスナハト。

季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

5.0

なんだかあの世で撮ってきた映画みたいで、心が言いようのない柔らかさまでほぐれていった…。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

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落下の解剖学なんてタイトル付けられたら、それはもう映画の解剖に他ならないのでは?と期待を寄せたものの、そんなに刺さらずに首を傾げながら帰った。

一つの出来事に対し供述や録音を始めとした音声、現場検証
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

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デュア・リパとジョン・シナがまた共演してるところは面白いです(約2分)
あとはもう他にも好きな俳優目白押しなのにマシューボーンが終わってるせいで全部が終わってる…

ナンバー・ゼロ(1971年製作の映画)

5.0

フィルムと酒がなくなるまで、昔の話を喋る…だけではあるのだがちゃんと演出と演出がなされる様子まで入っている。話の内容は殆ど既に亡くなってしまった人たちの話で、カメラは寄ったり引いたりするし、カットが割>>続きを読む

そして光ありき(1989年製作の映画)

5.0

映画のないところにカメラを持ち込み、映画的なものを発生させるあるいは発見するまたは後から作り出すって感じでサイレント映画的なものへの回帰のフロンティアを異国に見出してる感が強かった。制作風景が気になり>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

5.0

太陽系の公転を人間で再現する最初のシーンで途中から音楽がかかる。その音楽は酒場のピアノを誰かが弾き始めたから鳴り始めたとばかり思っていたのだけど、それがどうやらそうではなく映画の外から鳴っているものと>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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黒猫を暗闇の中から探すのは難しい
敗者としての幸福を掴むのだ
不在を支配するのはあなたであり…
と、相変わらずわかんないなと思うと同時に頭の中にぼんやりとしたイメージと印象的な言葉が反響し始める。

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

5.0

緻密に組み上げられた無軌道。
カメラが動き、人間が動き、その先に物語が幾つも発生する。同時間制を貫く編集と音。全部が映画でしか成し遂げられないことだという気がしてくる。完璧な映画的快楽の結晶。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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それなりに色々考えつつ観ながらも、歪なだけのものに対してコメディだと言い張ってるようにしか見えなくなっちゃったし、途中で隠喩であることすら辞めるのにちょっとしつこいので、分かったからもう終わって…って>>続きを読む

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

5.0

毎日は常に誰かの誕生日で同時に誰かの命日だという考えてみれば当たり前の事実に際し、私たちは常に以前誰かのいた場所の上に立っているというこれまた当たり前の事実が思い起こされる。
この映画の時間はたったの
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新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争(1995年製作の映画)

5.0

よくわかんねーのに画面に映ってるもの全部脂乗ってて湿度が高くて熱量も高くてつまりギラギラでオマケにセクシーで、かつ省略が全部カッコいいのでなんか異様に面白い。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

映画の中に消えた親友が映画の中から帰還する。しかしそれはかつての友人のようでそうではなかった、だからもう一度映画を上映し、「再生」するのだ…という多義的かつロマンチック過ぎる映画。
ミツバチもエルスー
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

山添くんの(境遇は似てさえいないが)物事の捉え方の変わり方が、全然他人事に思えなくて、渋川清彦が泣くところで一緒に泣いていた。(涙を映さず啜り泣きの音だけにするのも良い)最後にはそれが、夜になったから>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

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橋本愛がツラだけは良い頭ん中が戦場のホスト狂いメンヘラ女(言葉を慎め)で、愛という名の単なる執着心に理由つけて、キザな言葉で飾ってスッカスカな問答を上滑りさせ続ける謎の映画。
セリフは全部変で、特に足
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COME TRUE/カム・トゥルー 戦慄の催眠実験(2020年製作の映画)

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Electric Youthが好きだから観ました。

映画は…まぁ普通だけど、良いインディホラーゲームみたいで割と気持ち良かったです。信号が青に変わって画面が青色に変わるシーンが白眉?
主演のジュリア
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

5.0

何回観るねん。いやそろそろBlu-ray買います。
変態の映画だけど変体の映画でもある。カメラに映るものの意味合いを変容させ、映画自体を拡張し観るものの意識も拡張していく傑作。
しかし何回観てもイケそ
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クローネンバーグの ファイヤーボール(1978年製作の映画)

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誰が撮っても同じような映画になるであろう雇われ仕事的な題材ではあるが軽快さと裏腹にビジネスとアーティストの相剋という、フォードvsフェラーリっぽさの先取りは観るところがあるっちゃある。普通の映画が異色>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

いきなり靴の白さが鮮やかで素晴らしい。木魚のツヤまで全部綺麗。リマスターしたのも凄いけどIMAXでやっちまうのもすげー。完全にこの映画と出逢い直した感覚。
この映像と音楽でノらないほうが難しい…っての
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エル・スール(1982年製作の映画)

5.0

なんか過去に2回くらいみてるっぽいけど、ほぼ覚えていなかった。オーロール・クレマンが出てたのも初めて気付いた。

映画と現実の境界が曖昧になっていくように、現実と想像が重ね合わされていく。ナレーション
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

2024/2/3
絶句。完全過ぎる。

2021/12/29
学生時代以来に観た。
来年はもうこういう間違いのない映画しか観なくていいんじゃないか。境界を揺るがし、価値観を脅かしてくる危うさと美しさの
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0

2回目2024/1/28
劇中のソーラ・バーチとまだ年齢や状況の近かった以前見た時より全然好きになった。上手く距離が取れるようになったということなのかもしれない。斜に構えてせせら笑う側から笑われる側に
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

かなり過激に且つ言葉も多めに、そして映画の速度そのものをもってして、世の中の速さに抵抗しようとする意志を感じまくった。
その点と音の氾濫にアントニオーニの『赤い砂漠』を思い出しつつ、工業地帯の音と自然
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ハム・オン・ライ(2019年製作の映画)

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終盤の飛行機が飛んでいくカットが一番心に来た…。

みなに幸あれ(2023年製作の映画)

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幸福観がざっくりしすぎている事始め、全編地に足ついてない感覚がある。
地に足ついてない世界設定で狂気を描かれてもそもそも「怖い」とならないので、ホラー映画の面白さでもある画面で起きてることの凄惨さが閾
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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ロンドンに戻ってからがなんか…。
『バービー』よりは好きな気がする。ほぼ同じ映画だという気もする…というと細部に目を向けなさすぎだと我ながら思う。つまり結構どうでも良かったっぽい。
そんなことより近所
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