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バティモン5 望まれざる者のmat9215のレビュー・感想・評価

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)
3.0
オープニングとエンディングでバンリューの集合住宅が空撮で捉えられる。冒頭は居室内の葬儀から始まり、エレベーターが機能していないために螺旋階段で苦労しながら棺桶が地上に運び下ろされる。バンリューの集合住宅建造物の高さは居住者の社会的ステータスの高さではなく低さを意味する。居住者を訪問する郵便配達人や警官たちは階段を徒歩で登り、ドアの前に立つ時には息を切らしている。当然ながら市長は地上の戸建てに居住している。高層住宅に居住しているバンリューの人々は、フランスの国土から隔てられているのだ。などなどいいところはあるけれど、展開が直球過ぎる印象。前作『レ・ミゼラブル』はバンリュー住民の敵たる警官コンビを中心に物語が進み、ライオンが登場するなどの変化球もあり、さらに辱められた子供たちが蜂起するという展開が胸熱だった。もちろん本作は教育的な作りに振ったのだろうけど。
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