たかちゃん

マリの話のたかちゃんのレビュー・感想・評価

マリの話(2023年製作の映画)
3.2
本作はエンタメ系の作りではない。商業性に左右されることのない、作家主義の映画である。従って、面白さを見出せるか否か。観客を選ぶ作品といえよう。
4つのエピソードで構成。話は繋がっているが、独立しているようにも見える。
映画出演のオファーを監督から受けるマリ。しかし監督は失踪する。監督探しのある日、マリは猫を探す夫人と出会い、猫探しを手伝う。二人は仲良くなり、猫のように寄り添う。そして自分を見つめなおし、フランスで映画を撮る。第4話はマリの撮った作品。萩原朔太郎とボードレールの性的な詩を引用した、フランス語の会話劇だが、ストローブ=ユイレの影響を感じさせる。第1章で監督を警戒していたマリが、猫探しの夫人には心を委ねる。失踪した監督探しが猫探しになり、自分探しで自分を再発見し、自分が監督した作品を作る。そういう解釈をしてみた。
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