このレビューはネタバレを含みます
普通の人生
美化
死んだ人間
弔文
弔い
生活史
他人の人生を聞く 触れる
書ききれない何かを抱えて脚本家にはなれず生活のために弔文書く主人公
弔文は生前から故人に依頼された場合は、その人との時間の中で見えて来たその人を
周囲からの依頼の場合は、家族や友人に話を聞いて書く
みんな普通の人
普通の人生
弔文は唯一、どんな故人でも主人公になる瞬間かもしれない。
美化された人生だったりもする
そんな、書き切った弔文に対して、故人はそんな人ではないという人もいる
そこでまた、見える故人の別の側面
人の生活 本当に普通の、でも自分とは違う生活の記憶
記憶
記憶、空想の瞬間もあって
断片的にふっと空想に放り込まれる
あのゴリラはなんだったのか
生きている間から弔文を依頼していたおばあさんのはなし。
語っている部屋のショットとおばあさんの声に、電車の音が重なって、語られる
その記憶はおばあさんのものだけだけど、その語りによって、主人公も見ている私たちも、その人生の一端に潜っていた
そうやって、他者の語りの中をうろうろしていくうちに、部屋にいたもう一人の自分(彼が作った彼)の姿も変わっていく
それは、主人公の中の何かが変わっていたって現れて
でも何が変わったのか
彼がどんな物語を書いたのか
見つけたものは何かわからない
わからないな
でも、いい行為だと思う
誰かの人生に耳を傾けて 一部に潜る行為
羨ましい
誰もが人生の主人公だとは思わないけど、市井の人にも人生があって、その片鱗は耳を傾けるにあたするものだと思う
綺麗な映像
手前ボケ、奥ボケ
光 かなり優しい
ちょっと青みがかったいろ
不器用だが、真摯な主人公
全体的に好感を持てる