【第73回ベルリン映画祭 パノラマ部門観客賞】
アポリーヌ・トラオレ監督作品。ベルリン映画祭パノラマ部門に出品され観客賞を受賞、アカデミー国際長編映画賞ブルキナファソ代表にも選出された。
イスラーム映画祭で『怒れるシーラ』として上映予定の作品。ブルキナファソ映画ということで非常に珍しい。撮影が美しく、映画としてもなかなかよく出来ている。
婚約者の村へ向かうシーラだが、途中で賊に襲われ犯されてしまう。重い話ではあるが展開力があり退屈しない。リベンジサスペンスとしてよく出来た作品だ。
無理に賊のもとに連れてこられた女性たちとも結託し復讐を誓うシーラ、彼女の苦しみをストレートに描いている。変わったことは何もなく非常に真っ直ぐな映画だ。
しかし退屈する暇なくテンポ良く進められていく展開力がいい。どうやって生き延びるか、そしてどうやって復讐するか、その過程を丁寧にみせていく。
そして最後にはどう結末をつけるか、なかなか景気の良い終盤は少し笑った。そこまで!?という感じ。途中までは女性の受難を描く重い話だが、シーラが賢く強いのでストレスなくみていられる。ブルキナファソ映画、これから注目かも知れない。