晶

スライ:スタローンの物語の晶のレビュー・感想・評価

スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)
5.0
スター俳優としてではなく、脚本家としてのスタローンに焦点を当てたドキュメンタリー。
優れた表現者になるには、幼少期に暴力的な父親にひどい目に遭わされる経験が必須なのだろうか・・・。
それはともかく、彼が生み出し演じたロッキーとランボーという映画史に残る二つの巨大なキャラクターは、まったく正反対の男の姿でありながらどちらにも宿命的な物悲しさがある。
人を愛そうと努力し人から愛されるロッキーにも、社会に捨てられ孤独に生きるランボーにも、そしてスタローンその人にも。
80年代という過剰な時代に過剰なポップアイコンと化してしまった彼らの、その後の人生の物語をスタローンは書き続けた。プロデューサーから、ロッキーもランボーももう終わったと言われても。
何故か。
人生という重いパンチからは逃げられず、人生に打ち勝つことなんて誰にも出来ない。
だが、前を向いて立ち向かうことだけは出来る。それを証明するために。
もう・・・こんなの泣いちゃうよ、スライ。カッコいい・・・。
晶