akqny

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版のakqnyのレビュー・感想・評価

4.0
生きる上では盲目的である方がかえって良いのではと思うのだけど、どうなのだろうか。
子どもであることの特権はその盲目的なまでの衝動とエネルギーを、目の前の世界に全て注げることである。
この映画では主人公は圧倒的に生の人で描かれる。死は生のすぐそばにあるように、限りある英国統治下の香港も、その迫りつつある期限を前に、ある種の子どもっぽさ、盲目的な燃え尽きる前の最後のあがきのようなエネルギーがある。

中国と英国の治外法権が複雑に入り乱れ、返還が近づくことで治安が悪化しつつあった当時の香港。
あらゆる意味で盲目的な子どもであり続けることは、彼らなりの大人=香港の将来への反逆なのではないか。
akqny

akqny