メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版の作品情報・感想・評価

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版1997年製作の映画)

香港製造

上映日:2018年03月10日

製作国:

上映時間:108分

ジャンル:

3.8

あらすじ

1997年、中国返還目前の香港。借金取りを手伝う青年・チャウと弟分のロンは、ベリーショートが魅力的な少女・ペンと出会う。飛び降り自殺した女子学生の遺書を偶然手にしたことを機に、3人のなかで奇妙な友情が芽生え始めるが、それはまた過酷な日々の始まりでもあった。 家族を捨てて女に走った父親、両親が作った巨額の借金、容赦のないいじめ…。そして、ペンに淡い恋心を抱き始めたチャウは、病に侵されている彼女が…

1997年、中国返還目前の香港。借金取りを手伝う青年・チャウと弟分のロンは、ベリーショートが魅力的な少女・ペンと出会う。飛び降り自殺した女子学生の遺書を偶然手にしたことを機に、3人のなかで奇妙な友情が芽生え始めるが、それはまた過酷な日々の始まりでもあった。 家族を捨てて女に走った父親、両親が作った巨額の借金、容赦のないいじめ…。そして、ペンに淡い恋心を抱き始めたチャウは、病に侵されている彼女が余命わずかであることを知る。

「メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版」に投稿された感想・評価

かつ

かつの感想・評価

3.9
まずペンとペンの住んでる団地が好きだった
ダサさとかっこよさが共存した映像が主人公たちとリンクしててすごく良い
青春の刹那感と向こう見ずさに絶望感がある映画が好き(伝わりますか)
@早稲田松竹

全く知らなかったのですが、予告編がかなりカッコ良い(ぜひyoutubeで見てください)ので気になり鑑賞。

結果、観て正解でした。香港に生きる若者たちの群像劇としてかなり面白いです。

名も知らぬ女子学生の自殺を機に、3人の若者の人生が激しく動きだしていく。
90年代の香港の街並み、夏の気だるい雰囲気、ロケーション、どれも良かった。
特に香港の集合住宅での撮影は印象的だし、丘陵地にある墓地でも戯れのシーンも死の予感が感じられる名シーンだ。
Angie

Angieの感想・評価

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息苦しさと絶望。

息苦しい。心の靄がとれない。いつまでも、いつまでも、帰りの地下鉄の景色さえも変えてしまう、そんな映画。苦しい、苦しい。助けて。そんな映画。

そして同時に、これは大人になる前に観ないといけない映画だということも実感する。死にたいと思った時、この映画を見たら死んでしまいそう。そんな映画。そんな映画です。

印象的なのは、大人はやり直しがきくが、俺たちは一度限り。のメッセージ。まだ若い彼らは、日々を全力に悩みながらも生きていようとする。生きたいと願いながら死んだ2人。クズだといいながら死んだチャウ。嫌なことから逃げるようにそっと飛び降りたサン。どれも、どれも、みんな一度限りの人生ぎりぎりに生きていた。一度の絶望はきっとどうしようもないくらい大きな壁になって、彼らの生を邪魔してしまう。彼らは決してやり直しができない。それに比べて大人はやり直しができるよね、ってチャウは言う。たしかにそうだ。大人になれば、何事もやり直せる気がする。でもね、今は無理なんだ。今は常にぎりぎりだから、その糸が切れてしまったら、それっきりなんだ。

ペンが印象的だった。もういずれ死ぬと言いながら、何事も諦めているように見えながら、彼女からはたくさんの生のエネルギーを感じる。また、かわいそうな役回りだったロン。彼がまたいい存在感を発揮していた。その純粋さゆえに最後には命まで奪われてしまう。この無情さに私達は打ちひしがれる。
そして、チャウ。彼はふらふらしながらも、自称チンピラなだけであって、本質は正義感の強い悩める青年だ。彼からは最初、ヌーヴェルヴァーグのような、フィルムノワールのような匂いさえ感じたが、しだいにそれは違うと言うことがわかる。彼は自分に自信がないが、仲間思いで愛にも純粋、そして母親への愛もしっかり持っている。その意味で彼は全く自立できていないことがわかる。見た目こそ青年だが、中身はまるで小学生のようだ。それくらい純粋かつカッコいい精神を持っている。愛する娘のために金を稼ごうとするチャウのぎりぎりの姿。ヤクザに対抗していく無茶な姿。ペンを口説くその適当さ。
全ての行動が頭から離れない。なんてこった。

好きなシーンはやっぱり墓地のシーン。サンはどこー?と、叫んでも出てこないくせに。でも彼らは戻ってくる。そんな予感さえさせるシーンだ。
また、絡んでくるサンの存在もいい。遺書を巡って、彼らは生死を考えていく。サンはなぜ死んだんだろうね、と彼らは疑問に思いながら、遺書の封筒はあけない。だが、最後には読んで、自分なりの解釈をしていく。

ああ、彼らはみんなちりのように記憶から消えてしまう、香港の波に巻き込まれて埋もれてしまう、儚い命。儚い若者。哀れだねえと人々は言って、その死を、気持ちを考えずに。たかが4人の死。これがどうだろう。どう世界を変えるだろうか。何も意味のない命なんてないと信じたいけれど、でも、きっとあってしまうんだろう。そんな儚さ。そんな虚しさ。そんな絶望感。全力で感じながら、自らの命を考え直す。

ああ、でも彼らは代表者なんだ。私たちの、代表者。代表して死ぬんだ。私たちはそう簡単に死ねないから、(そんな勇気もないので)代わりに彼らが死んでくれる。おそらく、きっと、10年後の私はこの作品を見て、理解できない気持ちになっているだろう。別の感じ方があるのだろう。今だからわかること。私たちの代表の死を見送って、肝心の自分自身は日常生活、しかも日本に放り出されるのだ。そこでもまた絶望を味わうのだ。

映画のテイスト、手法ともにB級インディーズらしさマックス。省いた雑な撮影に、ヌーヴェルヴァーグ的なジャンプカット、ゲリラ撮影、そして一人称。彼らの格好もいい。そして汚い香港もいい。この時代、この場所で、この手法でしか描けなかった映画。伝説となって、私たちの頭に刻まれる。
細野

細野の感想・評価

3.2
まずはタイトルがいい。
1997年に15歳で観賞していれば、人生においてかけがえのない一本になりうる作品。

しかし
2018年にこの年齢で観てしまうと、この作品の売りである斬新でスタイリッシュな映像表現も、刹那的な青春劇も
どうにも既視感たっぷり…

良作ではあるんですけどね!!


個人的には主人公の服装がとてもむず痒くて…
全盛期のいしだ壱成や武田真治バリの『ピチT』…
中学生の頃着てたなー。
いま一番恥ずかしいやつ。
90年代リバイバルの真っ只中なのに、あれだけは流行る兆しが全く無いですね。
dita

ditaの感想・評価

4.0
@シアターセブン  

まさに奇跡の映画だった。あの時代の空気や青春の刹那を切り取ったショットの数々が最高に格好良くてヒリヒリした。90年代青春真っ只中だったわたしが、もしリアルタイムでこの映画に出会えていたら人生が変わったかもしれないと思った。

死んだ女と死ぬ女を愛した若者はいつまでも勇気の出ないチンピラのままでいてほしかった。正義感なんか捨てて逃げてほしかった。でも、歳を取ったわたしは彼らのことを心底羨ましいと思った。いつまでも若者のままでいてくれと思った。最高の青春映画だ。
gtwdmdjt

gtwdmdjtの感想・評価

4.0
チンピラ抗争、青春、臓器提供

低所得層の暮らしぶりをリアルに描き、
その中で煌めく若者たち。
闇社会がいかにすぐそばにあるのか、時代を映しているのだろう。

と社会的なテーマも多分に盛り込まれていて、バランス感覚に優れた作品だった。
当時、インディーズとしてスタッフ5人で撮影されたというのだから驚きだ。

ペイがチャウの元を訪れ、ペイの病気と余命が短いことを告白するシーンは何とも言えない切なさと愛しさが込み上げ、ぐっと物語に引き込まれた。

銃を手に入れたチャウが音楽を聴いて踊り狂うシーンはまるで、恋する惑星のフェイウォンであるし、墓場のシーンはピクニックを思い出す。

予告編で見た印象的なシーンは本編ではほんの数秒だったりもするのだけど、
全編を通し、スタイリッシュで美しいシーンが続く。
墓場、市場、公共マンション、少女が飛び降りた屋上。どこを切り取っても鮮やかで、若者の葛藤が渦巻く。

主演のサム・リーは、-細くすらっと筋肉のついている-恵まれた身体をスクリーンで存分に輝かせていた。また、ヒロインもベリーショートに笑顔が魅力的で、フォトジェニックな二人だ。

3部作の一作目ということだから、続きも是非リマスターで見たい。
ほしの

ほしのの感想・評価

5.0
最高。こんなに最高な映画があったとは。

これは、オールタイムベスト映画になると思う。

団地、団地の窓から見える向こう側などのロケーションも素晴らしいけれど、山腹の墓地はさらに良かった。

サム リーの軽やかさ!

雰囲気が近い映画では、ティム・ハンター監督の「リバース・エッジ」。どちらもすでに死んでいる世界、リバースエッジの方が観念的な分、死んでる感が強い気がする。

それにしても良かった。
Junkei

Junkeiの感想・評価

3.5
タイトルの「香港製造」のかっこよさにつられて仕事帰りに映画館へ。
この映画のことは知らなかった。で、今回デジタルリマスタリングで上映ということだったが、そんなにきれいな画像でもなく、ざらついた感じもあり、色あせた感じの映像だった。
けれど、そんな映像が彼らには合っていた。

若さは無敵だ。なんでもできると思っていたのに、できなくて無謀なことを考える。行き詰まった青春の行方は、とんでもない展開になっていく。

自殺した少女の残された遺書を縦糸に物語が進み、短い青春の激しさをたっぷり描く。そして、最悪の展開に容赦がなかった。
しかしあの遺書のアイデアは良かった。感動したぞ。
茅

茅の感想・評価

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さいっこうだ。
青春劇場はあっけない。舞台はあっという間に消え、役者も目を離したすきにどこかに消えてしまう。そのことをこんなに端的に、力強く、そしてかっこよくおしゃれに、さらにノスタルジックに、はたまたユーモラスに描いた作品があったとは!
さいっこうだ。

そして、埜口が映画に転生して帰ってきたかのような映画でもある。あいつと見たい。
若さは無敵だ…生にすがりつき汚れて醜くなってしまう前に、若気の至りになってしまう前に散る様は美しい
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