東京国際映画祭にて鑑賞。
佐渡島を舞台に記憶を失った男女の謎めいた過去と運命を描く。
美しい背景から静かに始まる不穏な冒頭。
終始静かに同時に少しの懸念。
登場人物たちの佇まいに安心と心配が半々、
その理由が明らかになっていくにつれて蕩揺し始める。観終わった今も、気持ちの整理がつかないくらい、素晴らしかった。
上映後に富名哲也監督と、プロデューサーの畠中美奈さんのトークセッションがありました。
江戸時代に佐渡金山で過酷な労働の末に命を落とした無国籍者の人々を埋葬した「無宿人の墓」に着想を得たとお話されていました。さまよう魂たちへの鎮魂、寄り添っていける作品だと思います。