ヒムロ

白鳥のヒムロのレビュー・感想・評価

白鳥(2023年製作の映画)
4.2
二人のイジメっ子に目をつけられた聡明な少年ピーターの独白的短編映画。


とてもポップで軽快な美術に不釣り合いなほど残酷な内容、そしてこれまた不釣り合いな無機質な語り口で全てが絶妙なバランスを保って不自然を作っている。
原作が小説であるという所へのリスペクトだろうか。
吹き替えのマシンガントークは声の演じ分けも含めて見事だった。

短編映画というと脚本のアイデア一発勝負という感じのイメージだが、これは映像の見せ方の美しさで魅了してくる。
軽快な語り口と共に、目を離す暇もなくすぐに15分が過ぎ去ってしまう。
内容が一瞬入ってこなくなるほど映像の面白さが強いので、小説を映画にする意味というか意義がある作品だと思った。
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