きりん

白鳥のきりんのレビュー・感想・評価

白鳥(2023年製作の映画)
3.6
大柄で無知ないじめっ子2人から執拗にいじめられる小柄な優等生ピーター・ワトスンの物語🦢
ロアルド・ダールの短編小説をウェス・アンダーソンが映像化。2本目。

大人になったピーター・ワトスン(ルパート・フレンド)がストーリーテラーとなって第四の壁を破るスタイル。つまり過去の思い出一人語り。

先に観た『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』同様に舞台演劇のように装置が切り替わり進行していく。やっぱりこの世界観は唯一無二で好きだわぁ✨
またルパート・フレンドの声色を変えての一人喋りもちょっと面白い🤣

しかし本作はとても暗く残酷な物語だった。
いじめの内容も死を予感させるものだし、陰湿で気持ちのいいものではないがウェスの世界観がそれを中和させているように感じる。セリフもいつものように抑揚なく感情ないので残酷でも観ていられるのかもしれない。

また白鳥が登場してからも残酷さは続く。
これも人工的に作られた演劇調であるからこそ少しコミカルにも感じてしまう。

色鮮やかさは少しおさえつつもやはり本作も紛れもないウェス作品。ぽさは全開であった✨
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