この映画はイスラエル出身である監督のハリファでの実体験に基づいた物語であり、タイトル「Real Estate」のRealにはその場所に深く長く根ざすという意味が込められているらしい。
出産を目前に控える夫婦が家を探しながら自分たちの居場所を手に入れる物語は平和への希求と受け取れる。家庭を築くこと、家を探すこと、平和に暮らすことの難しさがテーマとして横たわるが、ゴタゴタする夫婦関係がライトなタッチで描かれておりおもしろい。もうすぐ起きることがわかっているのに準備ができていないから実感が湧かなくて浮き足立つ感じがリアルでおもしろい。
夫婦間や出会う人々とのつい笑ってしまうやりとりや、水に浸かって逆子をなおす方法が母はなおらないと言ったが効果があったりとポジティブでハートフルな印象が強い。穏やかな気持ちで観ることができる。
