Mia

彼方にのMiaのネタバレレビュー・内容・結末

彼方に(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


無差別殺人が起きた。

その後を描いた作品。

被害に遭った人には遺族がいて、
その人たちのことを私たちは知る由もない。

幸せな人たちを見ては、幸せだった日々を思い出す。
悲しむ人たちを見ては、絶望の日を思い出す。
娘が生きていたら同い年ぐらいであろう女の子を見ては、娘と照らし合わせてしまう。

ただ、周りの人にその心の内が伝わることはない。


たった1人で、悲しみ、苦しみ、孤独に耐える。
たった一つ、笑顔になれる瞬間は、失った2人の声を聞く時だけ。きっと写真や動画を見るときも同じ。

紙の向こうで微笑む娘に向かって歌うハッピーバースデー。
スマホの奥から聞こえる妻からの最後の留守電。

この先もそうやって生きていくしかない。
分かってはいるけど、そんな簡単にはいかないよね。

誰もが悲しみを抱えて生きている。
人によって大きさは違うかもしれない。
自分が幸せだと感じることで、悲しみの感情が深まる人もいるはず。
それを忘れずに生きていかないと。
Mia

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