このレビューはネタバレを含みます
「ガメラ」平成版三部作、「DEATH NOTE」二部作、「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」等を手掛けられた金子修介監督最新作ということで鑑賞。久々に頭をガツンと殴られたような感覚が味わえたくらいには面白い作品だった。
最初は真面目な朝陽と乱暴者なひろし、罪を犯してしまった(厳密にはまだ罪を犯していなかったけど)夏月の3人と岡田将生さん演じる殺人鬼という構図から、どんどん構図が変化していく様が面白かったし、頭脳明晰な朝陽と昇の心理面での対決なんかも面白かった。結局は全員朝陽の掌の上で踊らされてたんだけど...。
表向きは真面目そうなんだけど、割と序盤から朝陽がヤバそうな感じは出てたので、中盤や終盤の展開も展開的には驚きはしなかった(子供らが全員昇に殺されたシーン(実際には朝陽は生きてたけど)流石にどうするんだろうと驚いたが)。
ただ、墓地での浩と夏月による殺人シーン(特に夏月)はあまりの辛さに目を背けたくなった。あの年の子供が本当に罪を背負って生きていかなくてはならなくなることの辛さよ...朝陽のお父さんもアキのお母さんも別に悪い人ではないというところが余計に辛さを助長していて本当に残酷だった。
ラストの全てを分かっていた夏月の手紙がまた辛い...直接的には罪を犯していても心が如何に綺麗だったか分かる切なさの描き方が上手いし、それらを踏まえて朝陽の冷酷無比さが本当に凄まじかった。
とりあえず役者さんたち中学生くらいと言ってもまだ子供なので、メンタル面のケアもしっかり行なって欲しいなと思うくらいには凄まじかった。あと星乃あんなちゃんは今後のご活躍も要注目したい。
リアリティ面では流石に無理あるのでは？とか、どうしてそうなった？ってところもなくは無い(兄妹の目的は大学卒業までの資金だったはずが途中から資金の話無くなってサービス殺人になってたり、昇は財産入らないこと分かってたのならなんで義父母殺す必要があったのかとか)けど、それを加味してもこれだけ細かい設定と二転三転する展開を作りながらそれらをちゃんと回収して纏め上げているので、しっかりと満足出来る面白い作品だった。
