評判の良さを聞いて駆けつけたが大正解。
子どもたちが偶然、殺人現場を目撃し、犯人を強請ろうとするが…という設定の面白さはもちろんある。
が、僕がこの作品をほとんど愛おしいとすら感じているのは、ともすれば陰鬱になる話―というか実際にそうで、例えば李相日監督が撮ろうものならもう二度と見たくないと胃もたれする作品になっていたに違いない―を、軽やかに何なら甘酸っぱい青春ものとすら感じられるバランスで撮っているからだ。
だからこそ素直に感情移入ができ、きちんと胸が締め付けられるような切ない思いもする。
もちろん岡田将生演じるサイコパスと、それを相手に強請を働く子ども（悪童）たちという対立構造は、ほとんどピカレスクロマン的ともいえる爽快なカタルシスが感じられる。
原作は未読なのだが、上下巻に渡る物語をかなり絞って映画向けに脚色しているはずで、違いを比較してみたいところ。
あと、夏月を演じた星乃あんなさんは、驚くほどの美少女ぶりで売れるだろうと思う。
とにもかくにも文句なしの面白さ！
鑑賞後のテンションで言えば本年度BESTでした。
