Ki64

ありふれた教室のKi64のネタバレレビュー・内容・結末

ありふれた教室(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

確かに暗殺教室よりはありふれてるなぁ

好き嫌い分かれそうかな?な作品でした。私は楽しめました


ザックリいっちゃうと、盗難が相次ぐ学校で正義感つよつよな新任教師カーラが盗難の瞬間を隠し撮りで収めるが、それをキッカケに周囲から非難され、一人窮地に追い込まれていく様子を描いた"だけ"の作品。

"だけ"というのは、明確に犯人が誰か判明することもなく、カーラが名誉を挽回することもなく終わりを迎えるから。
非常に大きなモヤモヤを残して終わる。

なのでオチも最初は『……ハァ??』だったw
カーラが『転校だけはダメ』って言ってたのと、オスカーの『後悔するよ』を思い出してあぁなるほど…とはなったけど。そこまで恨んでたんだな…
生徒を庇い、守りたい一心だったカーラを思うと後味悪すぎな。

モヤる要素は多いけど、内容はめっちゃくちゃ面白い。
テンポがとにかく良く、中弛みすることもなく次々と事が起こるため99分があっという間だった。
ただ終盤は色々ゴチャってた感じも否めない。

この盗難をイジメに置き換えるとまたこの作品の恐ろしさが分かる。見て見ぬふりでなく、しっかり解決しようと向き合った人が泥沼にハマり精神的に追い詰められていくとは。
正直者が馬鹿を見るなんて思いたくはないが、どこかで折り合いはつけなくちゃあいけない。こういう問題が如何に一筋縄ではいかない難しいものか、嫌でも分からされるだろう。

個人的には校長がかなり気になった。
ゼロトレランス方式を掲げて問題解決を図ろうとするがことごとく対応が悪手で、更にその責任が何故かカーラにばかりいって、かなり苛立ちを感じた。
マンガやアニメで言うところのトラブルメーカーおバカキャラだが、リアル描写だとここまで笑えないとは。
というか事の発端コイツの対応ミスじゃね?とすら思える。


様々な社会問題を新任教師視点でリアルに描き、学校という閉鎖空間での圧迫感と緊張感が凄まじい見応えバッチリな作品だったけど、白黒ハッキリつけてほしい、って人にはあまりオススメできないかも?な1本でした。
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