とーるさんし

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家のとーるさんしのレビュー・感想・評価

3.8
3D版鑑賞。よくある手法ではあるが平面の絵画に立体的な素材をくっ付けたり、過去の写真(風景)からインスピレーションを得たりする姿勢が、ヴェンダースの作品作り(風景から物語を見出す姿勢、世界の別断面を探る姿勢)とも共振している点で興味深く観られる。

そもそも単純にアンゼルムの制作過程が面白く、出来上がった作品にしても一つ一つ見応えがあるし、「ザ・ウォーク」みたいな謎の再現ムービー(3D映画繋がりか?)の若々しさ含め、観ていて飽きない。

というわけでヴェンダース、何度目かの好調期に入ったと思われるがどうだろうか。縁起でもない話だが、蝋燭が燃え尽きる前の最後の輝きではない事を祈る。
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