かくわ

一月の声に歓びを刻めのかくわのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.8
監督自身の経験をモチーフにした3作オムニバス。
どれも人との距離感が良い。

第一部は、カルーセル麻紀さん主演。女性となった父親とその娘。孫娘は「マキちゃん」と呼ぶのに対し、娘は「お父さん」と呼び続ける。豪華な食卓を囲む仲の良い家族に見えるけど、壁や隠し事が見え隠れする。

第二部は哀川翔さん主演。家を出た娘が帰ってきたが、妊娠している様子。だがそれをお互いに切り出せない中、旦那を乗せたフェリーが到着する。そこである事実が分かる。パイプを引きずった哀川翔さんのVシネ感。

第三部は前田敦子主演。子供の頃に受けた性暴力によってトラウマを抱え続ける。そんな彼女に声をかけるレンタル彼氏。何も知らないからこそ受け止めることができることもある。前田敦子さんはすっかり女優さんに。

観終わった時は、分かりにくいなぁと思ったけど、少し時間を置いたら、誰しもが持つ心の傷を癒すには何が必要なんだろう、という問いかけのように感じた。

2024-031-029
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