リマスター版でも“色褪せない”画だった。時代の色で誤魔化したりなんかしていないカメラだったんだろう。
思えば90年代に、戦中の色や気迫をそのまま再現することはどれ程に難しいことか。
心の中の色を映しているのだ。
梯子で産まれて、結婚して、成人してから始めて月を見て、太陽を見て、川を泳ぐ人生の高鳴り。
水面を渡る大きな動物。
もう一度見返せば、生命の力強さに溢れた作品でもある。
演劇も、ドラマを、壊すのだ。
人生最初の殺人を。
許し、忘れないことは歴史で最も大切なこと。
ラストシーンは今回の鑑賞では、悲しさを大きく感じた。