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青春18×2 君へと続く道のazusaのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
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脚本は王道中の王道ながら「青春」と言われるものに人類は常に憧憬を持っているのだなと思う。主旨としては『パストライブス』とも類似しているし、失ったものを再び失うまで(受け入れるまで)という意味では『異人たち』や『秒速5センチメートル』にも通ずると思う。夏の刹那的な高揚感と甘酸っぱさを背景に描かれるジミーとアミの心情はまさに青春そのものだし、18年後のジミーが過去を追うノスタルジックな気持ちも分かるしで思わず涙がこぼれた。あの頃の季節は夏の盛り、18年後の季節は真冬なのが印象深い。まるであの頃が人生の最盛期だったとでもいうようだけど、それはジミー次第だろう。彼はアミと再会し向き合うことで目を背けてきたアミの不在を実感するだろうけれども、彼の18年間止まっていた時間を再び動かす動力もその寂寞感なのだろう。そして実際、彼はまた一歩踏み出す。あの夏の思い出を抱いて。季節はまた夏に向かって移ろっていく。

入場時に貰った特典のポストカードは意味がわからなかったけれど、観賞後にその意味が分かると一気に胸が締め付けられる😢
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