ハピエリ

烈火青春 4Kレストア版ディレクターズカットのハピエリのレビュー・感想・評価

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今の香港映画ではあり得ない(作れない)情熱と疾走感。
ストーリーは破綻しているのに新しくて心に刺さる映像はまさに香港ヌーヴェルバーグと言える。
ウォン・カーウァイに多大な影響を与えたと言われる映像はポップで色鮮やかでカット割とカメラワークがこの時代としてはあまりにも鮮烈だ。
それもそのはず今作の美術担当はのちの「欲望の翼」や「恋する惑星」「ブエノスアイレス」を担当するウィリアム・チャン。
青一色に染まるルイ(レスリー・チャン)の部屋や俯瞰からズームして映し出すベランダや浜辺への映像などはウォン・カーウァイのそれに通じるものがある。
予算の都合で後半から監督が変わったのは有名な話。
パトリック・タム監督が1人で撮りきれればここまでの支離滅裂な終わり方はなかったかもしれないが、それ差し引いても印象に残る数々のアイコンは刺激的だった。
今回、久しぶりに劇場で観ることができ幸甚の至りである。
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