消費者

ペットセメタリー:ブラッドラインの消費者のレビュー・感想・評価

3.7
・ジャンル
オカルトホラー

・あらすじ
メイン州の田舎町で地元の名士として続いてきたクランドール家の一人息子ジャド
彼は誰かの役に立ちたいという一心で町を出て平和部隊に参加すべく恋人ノーマとミシガンへ発つはずだった
しかし道中、帰還兵の旧友ティミーの家の犬にノーマが噛まれ大怪我を負った事から延期し数日町に残る事に
彼女が襲われた時、目の前にいながら何もしなかったティミーに募る違和感
その理由は変貌した彼の恐るべき正体にあった…

・感想
原作者のスティーブン・キングが脚本も務めた名作ホラーのリメイク版の続編として製作された前日譚
1作目で死者を蘇らせる埋葬地の存在を主人公ルイスに教えてしまった老人ジャドの若き日の悲劇が描かれている

前作と同様にシリアスでダークな空気感が強調されつつ、埋葬地と直接的に関わる先住民の家系の姉弟も登場したりと原作とリメイク版の良い部分を組み合わせた様な仕上がり
戦争のおぞましさ、町に根付く階級とその裏にある真実、隠されてきた邪悪な歴史
それらの要素も上手く機能していたし人物描写がまたそれを引き立てていた
ただそれだけに終盤が若干大味に描かれていた点は気になったかな…
まず親世代の面子が秘密を守って来た立場の割に呆気なく死に過ぎだし、決戦も恐らく戦地をイメージしたんだろうけどそれならもっと視覚的に悲壮感を煽るべきだった気がするし…

でもそれはまだ些細な問題で最も引っ掛かったのがエピローグにあたるジャドの決意の語り
後に彼が引き起こす事を考えると矛盾が大きくてどうしても引っ掛かった
長年の孤独がもたらした気の迷いと捉えられなくもないとはいえ、それならもう少し弱さも表現しておくべきだったかと

そういった部分的な粗さえ除けば個人的には嫌いじゃない
過去作と比べて尺がコンパクトだから観やすいのも良かった
消費者

消費者