せいけ

清作の妻のせいけのレビュー・感想・評価

清作の妻(1965年製作の映画)
4.8
狂った愛を描くと増村の右に出る者はいない
死んだ方がマシと思えるほどの他人からは理解されない愛情に説得力を持たすことができる若尾文子となによりも規律を重んじる清作
語りのテンポが良すぎていつの間に?ってところはあるけど、やはり中盤以降の愛情の行き場がなくなり若尾文子の狂気が迸る瞬間以降のテンションが段違い
映画はカメラだけでなく、俳優で作られるものだとも感じる
演劇的ですらありながらも、視覚のモチーフがやはり映画的
この時代でしかあり得ないけど、この時代の人たちには理解されない愛
だけどもそれは時代を超えてスクリーンを超えてどこかに伝わるものなのだ