白

清作の妻の白のレビュー・感想・評価

清作の妻(1965年製作の映画)
4.5
疎外された過去ゆえに湧き起こる胸苦しい衝迫と、自らの期待を裏切ることを許せない残酷な運命を背負った女を待ち構える場所は、我々にとって思いもよらない、古くて新しい、一見するとあまりにも馴染み深い自然な眺めに過ぎない。堕落の淵とも、絶望の底とも言い難い空虚な場所で二人は、ふと襲いかかる憂鬱に埋められることを恐れる素振りも見せることなく、狂人的な愛の強度を以って今を生き偲び歓ぶために彼の地の轍を同じくする。
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