白さんの映画レビュー・感想・評価

白

映画(1032)
ドラマ(16)

繻子の靴(1985年製作の映画)

1.5

¥5000払ったからと言って好評価への強迫に駆られるほど自分の魂のステージは低くないです。
優れて全体を語れない断片の集積と言いますか、ナラトロジーとショットの強度が(世間的に広く知れ渡ってる「神曲」
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女間諜暁の挑戦(1959年製作の映画)

4.0

東京に遊びに来たは良いものの、観たい映画が一本もなくて適当に足を運んだヴェーラの新東宝特集で観るに至った。
映画に没頭するとタイトルに冠せられた「女間諜暁」のことなど忘れてしまうが、最後に思い出す。『
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

2.5

ムンジウにしてはストーリーの悲劇性が物足りないので、生ぬるい時間の持続がひたすら退屈な長さに感じられる。

BUG/バグ(2007年製作の映画)

4.5

二人の視覚上で演じられる世界は、同じ一つの想像力のもとで、過酷な充実ぶりの中を生きはじめる。

空気人形(2009年製作の映画)

2.5

自分の出自を隠して生きるということ自体が、「自分とは誰なのか」という問いを絶え間なく引き起こす契機になる。
「個人」を演じる男たちの傍らで、空気人形は他人から指し示されるためのラベリングに甘んじる他な
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ムクシン(2006年製作の映画)

5.0

帰る場所を見失った気持ちは、時間の流れに取り残されたりしないということ。かけがえのないものは失われたあとに現れるということ。
作文にまとめることができない少女の夏は、徹底的に孤独で美しい。

名もなき生涯(2019年製作の映画)

3.0

またしてもグレツキの音楽が流れていた。
撮影はルベツキではないけど、『ツリー・オブ・ライフ』におけるルベツキと同じ方法論を今回の撮影にも要求していた。しかしテレンス•マリックへの個人的評価は映像美では
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Days(英題)(2020年製作の映画)

2.0

東京フィルメックス2020
全然ダメだった。観察映画としての居直りを感じる。

海が青くなるまで泳ぐ(2020年製作の映画)

4.5

東京フィルメックス2020
あとに残されたどことも知れぬ時空で響き合う、言葉と存在との無媒介的な遭遇。

クラッシュ(1996年製作の映画)

3.5

東京フィルメックス2020/4K無修正
音響(残響)の効果が素晴らしい。引き画で事故している瞬間をちゃんと撮ってほしいと思いつつもあったが、交通事故と官能を大真面目に結びつけるクローネンバーグの手腕に
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鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

3.0

映画の中を流れている季節と、画面を眼差している自分のいる現在に流れる季節が同じだったとき、少し嬉しい。

永遠と一日(1998年製作の映画)

5.0

何重にも喪われ、偽善と差別とを覆いかくすための無根拠なフィクションに過ぎないことが明らかになったとしても、人はみずからの〈ふるさと〉へと帰るやさしい夢を見続ける。

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

4.0

人間がみずからの忍耐と強靭さの記録を必要とするものだということを最も強く人間に思い起こさせるのは、戦争と破壊である。

ノン、あるいは支配の空しい栄光(1990年製作の映画)

4.0

自らにとって最も大事な痛みさえ根こそぎ無意味化してしまう「虚無」の力=近代の力

火口のふたり(2019年製作の映画)

4.0

冒頭から荒木経惟の匂いが...
"社会"など他所に、感情と方法の共同体の内側から世界を見通す二人。傑作。

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

東京は後戻りしないのだと。
ことある毎に休暇を利用して東京に遊びに来るが、不意に「懐かしさ」の時間と空間とに蜂合わせてしまうたびに号泣してしまう。

松本清張のスリラー 考える葉(1962年製作の映画)

3.5

井上の妹が現場にいる経緯が全く分からないことや、終盤の物語内容の押し込み感を抜きにしても面白い!

照射されたものたち(2020年製作の映画)

3.5

東京フィルメックス2020
没入を阻害する3分割のフレーミングのお蔭で『夜と霧』より良くなっている。映像が照射するのは歴史だけではなく、時間線上で推移するヒューマニティである。また語られる言葉が叙述で
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平静(2020年製作の映画)

2.5

東京フィルメックス2020
『海辺のポーリーヌ』的なショットがある。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.0

ストリートカルチャーの映画映えが期待できないのはともかく、映画を満たすスケボーの運動が紋切り型のホームドラマに収斂されていってしまって、こうした物語内容の流れに浮ついた人ほど、最後にホームビデオをブチ>>続きを読む

ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記(2019年製作の映画)

2.0

映画を自称するクオリティではない。政治的なメッセージ云々以前に、モンタージュもショットもなおざりにされた画面は酷く目障りで観るに耐えない。系列のテレビで流してくれればそれで良い。

背徳のメス(1961年製作の映画)

5.0

白か黒か。
絶えざる台詞の妙とモノクロの特権を視覚的装飾として最大限に行使した日本映画史上屈指のサスペンス。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.5

ゴダールの週末、映画の終末。
意味の分からないタイミングで『八月の光』がインサートされる。

家内安全(1958年製作の映画)

4.0

中田康子(沢田ミサコ)が良い奴。
文藝春秋の看板、週刊新潮。

逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

東京フィルメックス2020
逃げる女=キム•ミニの内面の冒険は、海を打つ雨のように滑らかで掴みどころがない。
昔のホンサンス作品においては、主人公は酒を飲む席で愚痴をこぼしたり、デタラメにズームを駆使
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.5

孤独の中で人間が変わらないならば、何一つ可能ではない 。
マルグリット・デュラス

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.0

キャラクターの演出力が弱すぎてそれぞれの個性や天才性が良く分からない。松坂桃李の存在理由も良く分からない。謎にインサートされる手持ちカメラは視覚的に邪魔でしかなく、そこはカット/カットで攻めてほしかっ>>続きを読む

消滅の年代記/消えゆく者たちの年代記(1996年製作の映画)

3.5

東京フィルメックス2020
海面とか自動車とか公演のシーンを、フィックスのショット内で運動に満たす演出部分は凄い面白いけど、1部/2部の映画構成と断片的な物語内容のせいで全体的にタルい。

ハイファの夜(2020年製作の映画)

3.0

東京フィルメックス2020
アクチュアリティを内包した1つの時空間としてのナイトクラブを舞台にする所謂箱モノ映画ではあるが、政治(=明日を生きること←誰もが今を演じている)を群像劇で表現するにあたって
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犯罪の系譜(1996年製作の映画)

2.0

ナレーションが悪印象を残す映画。アンスティチュの上映部屋が想定を超えて立派で意外だった。
罪は大きいほど美徳に近づく。

七人楽隊(2020年製作の映画)

2.0

東京フィルメックス2020
ショット不在。最初の短編だけ運動(ダブルミーニング)に満ちていて観るに耐えれる。観客の面白がり様(よう)が何よりも寒い。

女は女である(1961年製作の映画)

4.5

いまこそ、この映画を以て「映画は映画である」という無根拠な肯定の深まりを支える同義反復を唱えなければならない...

幸せな人生からの拾遺集(2012年製作の映画)

5.0

幸福の無数の断片が、その都度新しいめざましさで心に刻まれる。
フィルムの感光は生存の感覚となる。

ウォールデン(1969年製作の映画)

4.5

われわれもまた一つまみの塵に過ぎない。
生の様ざまな輝やきと暗闇を体験して生きつづけ、その上でいま塵となった映画は、なお生きつづけている。
ありふれたものとして眼にとまらなくなっている事物を、あらため
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リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

4.5

旅の魅惑はただ単に、空間やかたちや色彩から――人が訪ねる場所あるいは通り過ぎる場所から――ひきだされるのではない。それはまた、人が再活性化する、様ざまの個人的な「時」からもひきだされる。生涯の旅をさら>>続きを読む

2/デュオ(1997年製作の映画)

5.0

私たちにはいつも、どこに行っても居場所がない。だから、いつも今いるここを出てどこかへ行きたい。

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