田舎の穏やかな情景に、お料理の音と色が際立つことよ。
決しておしゃれなお店でなく、料理だって中華、それも広州の家庭料理。ですがそんなお店がとても美しく描かれていて…邦画の料理映画が好きなんだと確信させられた一作です。大好きな田中圭が静かな画に動きを与えているところも好き。
貴子さんと王さんの心の繋がりは温かくもとても不安定で、2人の心の距離が縮まるほど心がぎゅっと縮むような気持ちになってしまいます。ラストのお祝いのお料理は2人の集大成のような気がしてつい涙。
小上海料理店はきっと今もどこかで賑わいを見せているのでしょうか。王さん、元気だといいなあ。そんなことをついつい考えてしまうような、日常の隣にある映画です。
