このレビューはネタバレを含みます
めっけもん。
少年時代の出来事を一通り描く長いアバンからの情緒あふれるオープニングで「これは凄いかもしれない」と興奮。
ブロマンス的な輝かしい青春とその裏にあるそれぞれの痛み、そして大人編での裏社会のドライな怖さを兼ね備えている稀有な作品。似たような作品あったような気がするけど『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』もこんな感じだったけ?あと『スリーパーズ』も思い出した。
弁当がないのを察して何の気なくおにぎりを渡すシーン、大人になってからの橋の上での謝罪のシーンでやたら泣いてしまった。特に前者は、何はなくとも何となく察してそばに居てくれるだけで生きていくことができる、という情緒あふれる名シーンだと思う。この時点でこの作品は大事な棚にしまわれた。
真犯人と真相が明らかになる過程は、正直ちょっと強引さと拙さを感じた。が、そのあとの北野映画のような強烈なドライさと情緒の緩急が激しいオチの付け方に全てを許す。めっけもん。