Monsieurおむすび

罪と悪のMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

罪と悪(2024年製作の映画)
3.8
#罪と悪
一言で表すなら和製「ミスティック・リバー」
小さな地方都市のどこにでもいる春、晃、朔、正樹の4人組の少年たち。
正樹が何者かに殺され、仲間たちは犯人と思しき男を偶発的に殺してしまう。
春だけが罪を被り終わったはずだったが、20年後、警察になった晃は正樹と同じようにある少年が殺されたことで、正樹殺しの真犯人が生きていると思い始める。

20年前の事件と新たな事件のリンクと真相を追うサスペンスを軸に、負の連鎖を永遠に続ける閉塞された街の悲劇。

晃と朔を守る為に罪を被り、その後の歪んだ人生を正当化するように悪の道を生きる春。
春に対して、罪を免れて生きてきたことに対して罪悪感を抱え壊れそうな晃と朔。

本当に救いのない話のなかで、晃と春が示した「これから」への決意だけが小さな希望だった。
それを成す原動力となるのはラストで春が思い浮かべる、眩しい記憶。
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