今年の私的映画トップ5には必ずランクインするなと確信しました。
【河合優実が演ってる人生賛歌、人間賛歌、現実賛歌】比較的序盤の方からそう言い聞かせて観てました。そうしないと私はこの映像の世界に飲み込まれそうになりそうだったから。
私的に、救いは何も無かった。
多分、隣人の子どもとの場面はオーディエンスにとっては希望なんだろうが、私には希望にも救いにもならなかった。
テーマは「やめること」だと思った。誰が何をいつやめていればこうならなかったのか。
私もつい最近「あの時やめていれば」と後悔する気持ちになったことがある。
ただ、当時のことを思い返すと、《やめるかどうか》は自分にとって問題ではなく、《この苦しさからどう逃げるか》が問題でしかなかったように思う。
だから、どうにもできなかったと思う。
私は幸いなことに知識と人間に恵まれて根本的な苦しさから徐々に解放されて今に至るが、明日寝て起きたら全てが変わることなんてなく、1秒1秒の選択の積み重ねが今でしかない。
多々羅さんのことばがとても胸に刺さった。
だからこそ、今は自分に余裕があるからこそ、自分の一挙手一投足の先にある誰かに思いを馳せて、1秒1秒の選択を積み重ねていきたい。
やさしいひとであろうと強く思わせてくれた作品でした。