街の小さな映画館には、自分以外８人の観覧者、全てミドルマダム。主演二人の色気に誘われただけかと鼻で笑ったが、それだけでも確かに観る価値は充分ある。とにかくスーツがキマっている。目線にヤラれる。今時ダブルのスーツが似合う俳優はそういないだろう。更に中国人の観客は、日本兵に因縁をつけられた中国人捕虜が頭からセメントを流され殺される場面に怒りを覚えた後、ワン・イーボーが日本兵を理不尽に何人もぶん殴って気絶させるシーンにはさぞやスカッとさせられたことだろう。興行収入も伸びた理由も納得。残念なのは、ワン・イーボーと森博之のやり取りがどちらも片言な上に小声で話されてわかりにくい。無理に日本語を話させず字幕を入れて欲しかった。
