Reo

すべて、至るところにあるのReoのネタバレレビュー・内容・結末

すべて、至るところにある(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

バルカン半島を舞台に、観るシーンが淡々と移り変わる。自分がいつ、どこにいるのか分からなくなる放浪映画。

それは、元来「歴史」のあるべき姿。断片的な史実を紡ぐ時、そこには様々な解釈の余地が与えられるはずだ。
リム・カーワイ監督は、東欧で起きてきた歴史、そこで暮らす人々をを生で撮影する。私たちが史実を紡ぎ、言葉でほどく機会を提供してくれる。

だから彼は、主人公ジェイがどこにいるのか、はたまた本当に生きているのか、私たちに考えさせる。
ジェイは監督の現し身。2人とも、映画ドリフターとしての活動を休止し、一度、童心(故郷)に戻る機会を求めているのではないか。
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