MinaMi

グレムリンのMinaMiのレビュー・感想・評価

グレムリン(1984年製作の映画)
3.8
謎の中国人からこっそり手に入れた不思議な生き物という導入が、ワクワクを刺激する。
あらためて観ると、のんびりした主人公が銀行勤務だったことが意外。同僚の女の子はバーで手伝いしているし、なにかとゆるい。時代。日本製品が疎まれるほどあふれていて、当時の空気を感じる。
本作のようにクリスマスに起こる事件を描く作品は多いが『素晴らしき哉、人生!』を引き合いに出し"It's a sad movie."と母親が言い放つ皮肉。脚本のクリス・コロンバスは『素晴らしき〜』を子供の頃観てものすごく感動したらしい。
漫画家志望の主人公に、売れない発明家の父親という子供ウケ抜群の設定にPG(本作はPG13誕生のきっかけになったと言われている)の暴力的な演出。ハッピーな状況から音楽とカットで不安を煽り、恐怖に突き落とす演出は映画の教科書ともいえる正統派。大人が観るとそれほどグロくはないけども、可愛いギズモから意地悪ストライプが生まれてモンスター化していく様子は、子供が観るにはじわじわとした恐怖の刺激が強い。あんな最期だし。
メリーゴーランドに乗ったと思ったら、おばけ屋敷の中でジェットコースターに乗っていたというような奇妙な世界観が心地よい。嫌な奴は勧善懲悪でスッキリ。規制のゆる〜い時代の遺産。

・脚本 8/10
・演技 6/10
・演出 8/10
・音楽 8/10
総合点 30/40
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