鶏

九十歳。何がめでたいの鶏のレビュー・感想・評価

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)
3.8
『心地よいキャスティング』

作家の佐藤愛子さんのエッセーを基にしたお話でした。佐藤愛子さんは今年で百寿だそうですが、本作で彼女を演じた草笛光子は、10歳下の今年卒寿。にもかかわらず、年齢を全く感じさせない元気な演技で、これを観られただけでも価値ある一作でした。また、パワハラで左遷され、佐藤愛子担当になったベテラン編集者を演じた唐沢寿明の”不適切”ぶりをユーモラスに演じた演技も、これまた見所でした。さらに、佐藤愛子の娘役を演じた真矢ミキも、ふんわりした感じで心地よい演技を披露しており、とにかくキャスティングが非常に素晴らしい作品でした。

そう言えば、前田哲監督作品にして草笛光子も出演した「老後の資金がありません!」では、草笛光子の息子の嫁役を天海祐希が演じてましたが、松竹歌劇団(草笛)と宝塚(真矢と天海)の掛け合いは、とても面白いですね。まあお三方とも出身母体は関係ないほどのキャリアをお持ちですけど。

俳優の話に終始しましたが、内容的なものに対する感想としては、長生きするなら元気じゃないとアカンなあという、当たり前のこと。そもそも長生きできるかすら分からないけど、これからも健康第一で暮らしていかねばいかんなと、作品とは全然関係ない決意を新たにしたところでした。

そんな訳で、本作の評価は★3.8とします。
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