つるぎたけし

その鼓動に耳をあてよのつるぎたけしのネタバレレビュー・内容・結末

その鼓動に耳をあてよ(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

新型コロナウィルス第6波の時期に主なスポットを当てた医療ドキュメンタリー

救急救命について、理想と現実のジレンマを何度も突き付けられる
作中では所謂モンスターペイシェントはそこまで登場しないが、社会的弱者で治療費を払えずとも受け入れて治療を施す場面は複雑な感情が入り混じる

研修医が将来どの方面へ進みたいかを問われた際、救命を希望する人はほとんどいなくて、救急は専門医に引き渡すための繋役と認識されている側面があることを知らしめられ、知識と技術的に及ばないことにコンプレックスを抱く医師もいて、自信喪失気味の医師が自身のアイデンティティに疑問を抱く様は見ていて本当に辛い
救急救命に携わる医療従事者には手厚い対応を切に求めたい

クライマックスともいえるコロナ第6波の際に、14軒も受け入れを断られてたらい回しにされている患者を藁をもすがる気持ちで依頼する救急救命士の嘆願する姿と、それを無理して受け入れる病院、そして受け入れられた時の安堵する声を聞いて、何も思わない人はいないと思う
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